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『怒りの海』
海は怒りに燃えている
紫の波立つ大きな力
黄色い空に翡翠の太陽が輝く
波は風に砕けて
海が
力に鼓動する
大地を流れる
あらゆる川が
この怒りを秘めた海へ
向かっている
私たちは岸辺に立って
波柱を空へ向ける海を
見つめている
この七色の海で
神々が踊り
私たちは静かに死んでいく
ーそのとき、燃える光線が雲をつらぬく
あらがえない力を見つめて
精霊たちが唄っている
海よ
あなたは怒りに燃えている
あらゆる存在が起源をもつ
この偉大な水辺は
強大な力に燃えている
ー港
私たちは白い舟にのりこみ
海をこえていく
寄る辺ない日夜を繰り返し
水晶の夜を天蓋に
舟は彼方へむかう
ー青い稲妻が遠い空に刻まれている
海は燃えたつ水平線のどこかで
陽光が柱となって降りそそぐ大地となって
舟をむかえている
私たちは
怒りの海をこえていく
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